2013年03月03日

歯科疾患と食事A


具体的な予防法の前に、主要な歯科疾患である歯肉炎と歯周炎について説明したいと思います。


歯石沈着の過程


歯石は、ペリクル(薄い被膜) → 歯垢 → 歯石 という過程で沈着します。


最初に、歯の表面に、ペリクルが作られます。

ペリクルは、唾液中の成分である糖とタンパク質で構成されます。


ペリクルに、細菌が付着し、繁殖して 歯垢 を形成します。

歯垢=食べカス、と誤解している人が多いそうですが、違います。

細菌(バイキン?)なんです。

歯垢は、柔らかく、簡単に除去できます


歯垢に唾液中のミネラルが沈着し、歯石になります。


細菌が生じる場所


テレビコマーシャルで 「歯周ポケット」 って言葉、聞いたことある人は多いかと思います。

下の図は、犬じゃなくて人間の歯なのですが、歯周ポケットは同じです。

1003pocket01.gif


歯と歯茎の間の溝(ポケット)の部分ですね。


この歯周ポケットに細菌が生じるところから、歯周病は始まるんです。

なので、歯が白くてきれいでも、見えない部分で歯科疾患が起きている可能性があります。


歯を見るときは、歯だけでなく、歯茎もチェックが必要です。


歯肉炎と歯周炎


歯科疾患には、大きく分けて歯肉炎と歯周炎があります。

歯肉炎 → 歯周炎 と進行します。


<歯肉炎>

歯肉炎は、歯垢が蓄積され、それに関連する細菌が引き起こす疾患です。

歯肉に腫れや出血が見られます。

歯肉炎は治療により概ね治すことができるそうです。


<歯周炎>

歯周炎は、歯の根っこの方が破壊される病変です。

「歯槽膿漏(しそうのうろう)」は、歯周炎です。

治療で組織を回復させることは、極めて困難です。

もう、元の状態には、戻せないんです。


歯周炎


歯周炎まで進んでしまうと、かなり深刻です。

進行すると、歯が脱落する他に、次のような病気等を引き起こす可能性があるそうです。

 ・ 下あごの病的骨折

 ・ 敗血症

 ・ 骨髄炎

 ・ 根尖膿瘍

 ・ 口鼻ろう管


歯周炎がひどくなると、ひどい口臭がするそうです。

アンモニアのような臭い、と先生は言ってました。


その他、出血がみられたり、歯を触られることを嫌がるようになるそうです。

そして、著しい歯周疾患になると、心臓や腎臓等に影響がみられることもあるそうです。



歯科疾患は、すべての犬猫に生じる可能性がある病気です。

メチャクチャ単純に書くと、次の順序で進行します。

 ペリクラ → 歯垢 → 歯石 → 歯肉炎 → 歯周炎 → 歯の組織破壊、重篤な病気


できるなら、歯垢の段階で食い止めたい。

歯垢の段階までなら、”治療”に頼らずに除去できるんです。

”治療”になると、全身麻酔が必要になってしまいます。


歯垢の段階での食い止めは、可能なんです。

そして、それができるのは、ホームデンタルケアができる犬猫の飼い主さんだけなんです。


次回は、ホームデンタルケア方法について書きたいと思います。



<続く>

posted by Maggie at 17:10| Comment(2) | 歯科疾患と予防